不動産業界の賃貸物件に関するローカルルールは、エリアによって様々な種類があります。
賃貸人と賃借人が不動産屋を介して賃貸契約を結ぶ場合、賃借人はいろいろな名目で手数料を支払わなければなりません。手数料として代表的なものは敷金や礼金です。これらのような初期費用に関して様々なローカルルールが存在しています。
不動産屋が仲介料として受け取る礼金は、宅地建物取引業法で家賃の半額と定められています。礼金を取らない不動産業者も少なくありませんが、1ヶ月分を請求する業者も存在します。
また、敷金については、退室時に原状復帰できない部分に関する賠償の担保として賃借人が支払うことになっていますが、関西エリアでは敷金を取らず代わりに保証金という名目の料金を請求することがあります。
家賃の数ヶ月分となる点では、敷金も保証金も金額はさほど変わりません。しかし、敷金の場合、民法で賃借人に返還請求権が認められるのに対して、保証金は宅地建物取引業法で規定がありません。そのため、返還請求できるか否かについては議論の余地があるでしょう。
さらに、一定期間居住した後に引き続き留まる場合の更新料についても、1ヶ月分要求する地域や更新料を請求しないエリアなど、場所によってローカルルールが異なります。
こうした地域の差は、借地借家法が制定される以前の慣習の名残りで、賃借人が賃貸人と対等の地位を得るようになってからは、少しずつ全国で統一される傾向にあると言われています。